登米バイオガス発電・FIT申請 経産省、書類偽造把握か 「燃料調達先」2社に調査

 宮城県登米市東和町に計画されているバイオガス発電所を巡り、事業者側が電力固定買い取り制度(FIT)申請書類を偽造していた問題で、燃料調達先とされた大手食品メーカー2社に対し、経産省が調査を行い、偽造を把握しているとみられることが15日、分かった。

バイオガス発電所の建設予定地=登米市東和町米谷

 偽造が確認されれば、申請が無効になる可能性がある。計画に難色を示す登米市や住民らは調査の行方に強い関心を持っているが、資源エネルギー庁は「事業者側が不利益を被る」として「公表するとは限らない」としている。

 経産省の調査を受けたのは、茨城県と岡山市に本社を構える大手食品メーカー2社。申請書には、燃料となる大量の食品廃棄物をそれぞれ事業者に供給する覚書が添付されていた。

 両社によると河北新報社が6月下旬、印影を含め申請書が偽造されたことを報じた直後、東北経済産業局から電話があり、申請に関し調査している旨の説明を受けた。両社の担当者はいずれも「食品廃棄物供給の契約をしておらず、覚書もない。印影も自社の印鑑のものではない」と回答したという。

 東北経産局エネルギー対策課は取材に対し、「調査中のため、偽造があったかどうかも含め答えられない。詳しいことはエネ庁に聞いてほしい」と話した。

 エネ庁新エネルギー課の担当者は「事実関係を調査中だ」と回答。調査結果や今後の対応の公表については「事業者側が不利益を被る可能性がある」として「地元自治体や住民に説明するかどうかは分からない」と答えた。

 環境への影響を心配し建設に反対している市民団体「登米市の自然を考える会」の斎藤政孝代表(72)は「地元が困っているのに事業者の利益を優先するならば納得いかない。地元の現状を国に伝える方法を考えたい」と話した。

 考える会は、FIT認定の再審査を東北経産局に求めているほか、登米市と市議会も認定の取り消しを求める陳情書を国に提出している。

[登米市東和のバイオガス発電所を巡る申請書偽造問題] 2019年12月、当時事業者だった会社が偽造した覚書を添付し、再生可能エネルギー固定買い取り制度(FIT)の申請書類を経済産業省に提出。20年6月にFIT事業として認定された。建設計画は別の会社が引き継いでいる。

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