マツタケ新たな挑戦 全国有数の産地、岩手・岩泉 ホテルが加工場新設、長期保存研究も

 岩手県岩泉町で全国有数の生産量を誇るマツタケの収穫が最盛期を迎えている。同町のホテル龍泉洞愛山では8月末、念願のマツタケ加工場が完成した。さまざまな商品の製造や長期保存技術の開発に取り組み、生産者の所得向上や雇用の創出につなげる。

加工場の1階は集荷スペース。買い付けたマツタケを丁寧に掃除する中村社長

 「岩泉松茸(まつたけ)屋」と称する加工場はホテル隣接地に建つ。鉄骨造2階で延べ床面積は約80平方メートル。整備費用の3分の2に当たる2300万円は経済産業省の事業再構築補助金を充てた。

 1階は生産者からの買い付けをする集荷スペースとして使用。2階に乾燥機や冷凍冷蔵庫、真空包装機などの加工設備を配置した。

 ホテルを運営するフロンティアいわいずみの中村貞司(さだし)社長は「マツタケは1979年の開館以来、ホテルの看板で加工場建設は夢だった。補助事業に採択されたので思い切って挑戦した。長年の研究成果を発揮したい」と意気込む。

 まつたけご飯や漬物など従来の加工品の増産を図るとともに新商品の開発に取り組む。中でも力が入るのが長期保存技術の確立だ。

 マツタケは冷凍すると年単位で保存できるが、香りや味わいが落ちる。中村社長によると、ご飯や土瓶蒸しには十分使えるが、素焼きやすき焼きにすると、生マツタケとの差がはっきりしてしまう。

 現在は冷蔵の工夫で2カ月弱なら鮮度を保てる。「それを1年以上に伸ばしたい。シーズンオフがなくなるし、不作の年にも対応できる」と説明する。

 加工場の稼働に伴い、新たに従業員1人を採用する。観光客が減る冬場に余剰気味となるパートの活用も図る。生産者からの買い付けも拡大する方針で現状の1トン前後から1・5~2トンを目指す。

 「岩泉のマツタケは香りが素晴らしい。どこの産地にも引けを取らない」と中村社長はPR。「町の宝を存分に生かし、交流人口の拡大と地域経済の活性化に貢献する」と強調した。

 岩泉のマツタケ収穫期は10月上旬ごろまでの見通し。ホテルが加入する岩泉まつたけ事業協同組合のホームページで購入できる。

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