(387)遅刻するつもりの鞄秋の雲/谷さやん(1958年~)
登校や出勤など、毎日時間を守って暮らす人も多いでしょうが、麗(うら)らかな秋の日には、サボってどこかに行きたいという気持ちも湧いてくるかもしれません。今日はもう間に合わない!と諦めたときに、遅刻は避けられないがまだ確定はしていないという空白の時間がやってきます。あまりほめられはしませんが、一種の解…
関連リンク
- ・(386)あなたなる夜雨の葛のあなたかな/芝不器男(1903~1930年)
- ・(385)ときに犬さびしきかほを秋彼岸/山上樹実雄(1931~2014年)
- ・(384)踊りの輪止まりて夜風ほどけゆく/抜井諒一(1982年~)
- ・(383)新宿ははるかなる墓碑鳥渡る/福永耕二(1938~1980年)
- ・(382)落し水鯰(なまず)も落ちてゆきにけり/太田土男(1937年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。