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(388)わたくしを捜す放送秋の暮/栗林浩(1938年~)

 この句の「捜す」からは、認知症で家を出て徘徊(はいかい)し、行方が分からなくなった老人を、町内放送などで捜索しているように読める。当事者家族にとっては深刻な話でドキッとさせられる。しかし同時に、作者自身が「徘徊(俳諧)老人」となったような自虐的なユーモアも垣間見え可笑(おか)しさが漂う。「秋の暮」…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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