(395)一刀の蒼を研ぎ出す鵙のこゑ/坂内佳禰(1947年~)
モズ。鵙、あるいは百舌鳥と書く。虫や蛙(かえる)、蛇、鼠(ねずみ)などを捕らえると、それを尖(とが)った木の枝などに刺して蓄えるがよく忘れるので、昔の人は鵙がいけにえを捧(ささ)げているのだと捉えて「鵙の贄(にえ)」と呼んだ。高鳴きは鋭く挑発的だが、「百舌」とも書くだけあって他の鳥の鳴き真似(まね…
関連リンク
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- ・(392)銃声を受け止めてゐる秋の山/𠮷沢美香(1999年~)
- ・(391)月光やきちんとものを畳み寝る/吉沢紀子(1943~2020年)
- ・(390)蘆原にいま見ゆるものすべて音/小川軽舟(1961年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。