(396)雨音に取り巻かれたる土俵かな/綾部仁喜(1929~2015年)
相撲や土俵は秋の季語となっています。テレビでは一年を通して大相撲が行われますが、プロではない地元の相撲は秋祭りで開催されることが多いようです。確かに私の地元でも神社の秋祭りで子ども相撲をしていました。立派な土俵となれば、屋外に柱と屋根付きで建てられているものもあります。使われないときはシートがかけ…
関連リンク
- ・(395)一刀の蒼を研ぎ出す鵙のこゑ/坂内佳禰(1947年~)
- ・(394)底紅(そこべに)や私を嫌ふ私の子/辻美奈子(1965年~)
- ・(393)雷兆す体よ僕に付いてこい/秋尾敏(1950年~)
- ・(392)銃声を受け止めてゐる秋の山/𠮷沢美香(1999年~)
- ・(391)月光やきちんとものを畳み寝る/吉沢紀子(1943~2020年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。