(400)長き長き霧笛そして爺になる/橋本喜夫(1957年~)
前書に「息子夫婦に子が。妻も見ていると思う」とある。「霧笛」は、霧の深い時に航海の安全のために灯台や船が鳴らす汽笛。奥さまが亡くなってからは、霧の中のような日々だったのだろう。古い映画「喜びも悲しみも幾歳月」も思い出す。灯台守夫婦の苦難の半生を描いているが、ラストシーンは結婚した娘が夫の赴任地へ向…
関連リンク
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