(419)吊し柿風慣れの行はじまりぬ/中原道夫(1951年~)
干し柿。沢山(たくさん)作っている家庭だと、まるで飴(あめ)色の簾(すだれ)のように見える。掲句は干し柿に焦点を当てて、寒い空気に晒(さら)される柿を、風に慣れる修行をしていると見た。たしかに皮を剥ぎ、軸に紐(ひも)を結わえ付けて寒空に晒すわけだが、人間に置き換えてみるとえらく残酷なことをしている…
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- ・(418)秋の雲子供の上を行く途中/岸本尚毅(1961年~)
- ・(417)鰯雲どのビルも水ゆきわたり/中村安伸(1971年~)
- ・(416)秋の庭歩けば影のついてくる/雨霧あめ(2002年~)
- ・(415)地はたちまち化石の孵化(ふか)のどしゃぶり/豊里友行(1976年~)
- ・(414)長き夜の対になりたきカギ括弧/花谷清(1947年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。