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ガソリン価格表示、税抜きいいの? 併記は可…でも、正直分かりにくい 熊本

 「ガソリンスタンド(GS)の価格表示が『税込み』か『税抜き』なのか分かりづらい」との声が熊本日日新聞「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。昨年4月、消費税を含めた「税込み価格」を示す総額表示が義務化されたのになぜ? 調べてみると、価格表示が混在する背景に「事業者の本音」が見えてきた。

総額表示をしているGSのタッチパネル。税抜き表示の店舗とは画面上で10円以上の価格差がある

 S編に投稿した熊本市の女性会社員(42)は「給油後にレシートを見たら、店頭の表示と違うことがよくある」と嘆く。

 実際、記者が県内の複数のセルフスタンドを回ると、注文機のタッチパネルに価格表示があるものの、税込みか税抜きかは一目で判断できない。よく見ると税抜き表示の店舗では、パネル横の紙に税込み価格が書かれていた。確かに混在しているようだが、正直分かりにくい。

 熊本国税局によると、総額表示では「税込み価格が明瞭に示されていれば、税抜き価格や消費税額を『併せて』表示することも可能」だという。そのため消費者には分かりづらいが、横の紙で税込み表示していれば、パネルで税抜き表示しても“セーフ”となる。

機械設定、負担大で二の足

 県石油商業組合(熊本市)に聞くと事情が見えてきた。GSの機械によって消費税の設定が異なり、税表示を切り替えるには経費がかかる。そのため対応に二の足を踏む業者もいるという。

 税抜き表示をしているGS事業者は熊日の取材に「税込み表示に変えていかないといけないとは思っている」と回答。ただ、機械の設定を見直すのは1店舗当たり数十万円の費用がかかるため「正直、大きな負担だ」と明かす。

 一方、全ての店舗に税込み表示の機械を導入している県央のGS経営者は「タッチパネルの税抜き表示を見て『安い』と勘違いして多めに給油する人はいるはず。きちんと表示している店にしてみれば不公平に感じる」と話す。

 GSを巡っては、アプリ会員限定やプリペイドカード利用時など、支払い方法によって価格が多岐にわたるため、全国石油商業組合連合会(東京)もことし9月14日に価格表示の適正化ガイドラインを改訂した。根拠のない「最安値」などの表示を行わないことも盛り込んでいて、利用者に分かりやすい表示を事業者に呼びかけている。(熊本日日新聞・立石真一)

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