(469)音知らぬ宇宙空間年歩む/小川軽舟(1961年~)
季語「年歩む」は年の暮(くれ)のことで、一年を振り返る感慨がこめられている。大晦日(おおみそか)はテレビの歌合戦など何かとにぎやかだが、新しい年を迎える束(つか)の間に、外に出て夜空を仰ぎ、静かに宇宙のことを考えるのも悪くない。ふと宇宙空間に音はあるのかと思う。頭から無音だと考えていたが、本当のこ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。