(464)講義所の設け貧しやクリスマス/原抱琴(1883~1912年)
作者は原敬の甥(おい)。岩手県尋常中(現盛岡一高)から東京府尋常中(現日比谷高)へ転入した頃、正岡子規の門下となった。子規に愛され、岩手俳壇の育成者となったが、明治45年に夭折(ようせつ)。この句の「講義所」とは、無教会主義の人々が、聖書を研究する集会場として設けたもの。クリスマスは当時も西洋由来…
関連リンク
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- ・(461)湯婆抱いて大きな夢も無りけり/大須賀乙字(1881~1920年)
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- ・(459)冬銀河長湯の夫を忘れけり/長岡悦子(1941年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。