(481)冬木の枝しだいに細し終に無し/正木浩一(1942~1992年)
病室の窓から見えるのは一本の冬木だけ。外の世界を見たいのだが、もう起き上がれない体になっている。枝の先を追うと抜けるような冬の青空がある。作者は49歳で亡くなるが、妹の正木ゆう子により『正木浩一句集』が発刊された。この句の冬木の枝は作者自身でもある。残された少ない時間の命を燃やして枝先を見つめる。…
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