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定住、交流人口拡大を強化 石巻市新年度予算案一般会計721億円 旧大川小の補修も

 石巻市は6日、総額721億円の2023年度一般会計当初予算案を発表した。東日本大震災からの復興のハード事業が完了することに伴い、22年度当初比で7億5000万円(1.0%)減となった。復興後の活力維持に向けて定住、交流人口の拡大など複数の新規事業を打ち出した。劣化が進む震災遺構「大川小」旧校舎の補修にも着手する。予算案は9日開会の市議会2月定例会に提出する。

【2023年度の主な事業】
・石巻中校舎改修          21億3110万円
・七窪蛇田線整備          10億3138万円
・旧大川小校舎劣化対策          1000万円
・マンガクリエイター支援          160万円
・スポーツコミッション負担金       2700万円
・石巻川開き祭り第100回記念大会負担金 2000万円

 一般会計の復旧復興分は雨水排水ポンプ場などのハード整備や被災者住宅再建補助事業の終了を受け、前年度比56.6%減の9億3200万円。一方、通常分は高騰する光熱水費が前年度の1.5倍に膨らむなどし、0.7%増の711億6799万円となった。

 定住、交流人口拡大では、中心市街地に整備される「マンガベース(仮称)」を拠点に漫画家などを目指すクリエイターの支援事業を創設し、160万円を計上した。ペーパードライバーの移住者に自動車教習所の講習費を補助する制度にも30万円を充てた。

 スポーツを生かして地域活性化を図る官民一体の「スポーツコミッション」を3月に設立する計画で、負担金2700万円を措置。今年が100回目の石巻川開き祭りは、例年の負担金900万円に2000万円を上乗せした。

 大川小の旧校舎は被災した姿をそのまま残す方針だが、風雨などによる床や壁の傷みを防ぐ補修工事を実施する。2カ所の雨漏り対策に750万円、ふん害のあるコウモリ駆除費に250万円を盛り込んだ。

 継続事業では石巻中の校舎改修事業に21億3110万円、市中心部の山下、中里両地区を陸橋で結ぶ「七窪蛇田線」整備に10億3138万円を投じる。

 歳入は、市税が1.7%増の191億6410万円。新型コロナウイルス感染拡大の影響が回復傾向にあり、個人市民税の増収を見込む。地方交付税は1.0%増の191億4910万円。

 特別会計と病院、下水道の両事業会計を含む総額は2.0%増の1271億3761万円とした。

 市議会2月定例会には43議案が提出される。会期は3月15日までの35日間。

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