(507)永い道草いつしか雪のくる匂い/藤野武(1947年~)
用の途中で道草を食っていると、つんと雪が降り出しそうな香りがしました。本当の雪の匂いは分かりませんが、乾燥した空気や冷えゆく気温を気配として感じたのかもしれません。しかし「永い」という期間を捉え直すと、抽象的な味わいが深まります。人生のうちの永い期間に、道草のような時間があったとして、当人はなかな…
関連リンク
- ・(506)神話おほかた愛の争ひ建国日/草村素子(1919~1974年)
- ・(505)探梅のつひに風呂敷かぶりけり/中原道夫(1951年~)
- ・(504)身のうちに炎立つこゑ寒牡丹/恩田侑布子(1956~年)
- ・(503)如月や若き女の針供養/常世田長翠(1750~1813年)
- ・(502)オリオンの広き胸ゆく明日も晴/津川絵理子(1968年~)