(505)探梅のつひに風呂敷かぶりけり/中原道夫(1951年~)
「探梅」は、冬に早咲きの梅をたずねて野山に出かけること。庭や名所の梅を観賞するのとは違い、野趣を楽しむ気分がある。さて季節を先取りして俳句を作ろうと吟行に出たのだが、だんだん寒くなってきた。我慢していたがついに限界に達し、たまたま持っていた風呂敷で寒さをしのいだか。探梅の「探」は何かを物色するよう…
関連リンク
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- ・(501)落日を得たる枯木の華やぎぬ/大石香代子(1955年~)
- ・(500)蝦夷(えぞ)の地に生れて鬼をやらひけり/門脇白風(1892~1989年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。