(516)雪国へ入りぬ綺麗に箸割れて/岩田奎(1999年~)
綺麗(きれい)に割れた箸は、駅弁の割り箸でしょうか。そう想像するのは川端康成の小説『雪国』の出だしが列車の描写から始まるからかもしれません。トンネルを抜けて風景が一変したように、あるときから車窓を占める雪の割合が増え、別の国に来たかのように思うことがあります。景色の変わりようと箸の割れ方が響き合っ…
関連リンク
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