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学びやの歴史に幕 石巻2小中学校で閉校式 東浜小68年、荻浜中41年

 児童、生徒の減少に伴い3月で閉校する石巻市東浜小(児童2人)と荻浜中(生徒3人)の閉校式が25日、それぞれの体育館であった。児童生徒に加え、大勢の卒業生や住民らも駆け付け、思い出深い学びやとの別れを惜しんだ。東浜小は68年、荻浜中は41年の歴史に幕を下ろし、4月からは万石浦小、万石浦中に統合となる。

東浜小

出席者と一緒に校歌を歌う東浜小6年の(前列左から)阿部さん、後藤さん

<最後の卒業生が感謝>

 東浜小の閉校式には最後の卒業生となる6年阿部蘭さん、後藤彩羽さんをはじめ、保護者、卒業生、元教職員ら約180人が出席した。

 宍戸健悦教育長は「かけがえのない母校が閉校しても輝かしい歴史と伝統は絶えることなく皆さんに受け継がれると確信している」と式辞を述べた。斎藤正美市長、安倍太郎市議会議長もあいさつした。

 校旗を宍戸教育長に返納した竹内栄喜校長は「長きにわたり、多くの皆さんの励ましや支えにより、学校経営に取り組むことができた」と感謝の思いを伝えた。

 阿部さん、後藤さんの2人も「支えてくれた皆さんに感謝の気持ちと東浜小さで学んだことを忘れずに未来に向かって進みます」と決意を述べた。

 斎藤市長からは、宍戸教育長との連名で、長年にわたり児童に獅子風流を指導してきた豊島富美志さんに感謝状が贈られた。全員で校歌を斉唱し、感謝の会や記念碑除幕式もあった。

 元PTA会長で長男、次男と親子2代で在籍した養殖業平塚透さん(63)は「何ともいえず寂しいね」と、感想を話した。

 同小は1955年、当時の荻浜小から独立し、開校。これまで708人(今年3月の2人含む)の卒業生を送り出した。

荻浜中

宍戸教育長(左)に校旗を返納する荻浜中の万城目校長

<「宗さん」と校歌斉唱>

 荻浜中の閉校式には、教職員や3年阿部廉さん、平塚海惺さん、2年佐藤双波さんをはじめ、関係者ら約120人が集った。校歌を作詞した初代校長福原八郎さんの息子寿郎さん、作曲した歌手のさとう宗幸さんも姿を見せた。

 斎藤正美市長は「輝かしい伝統と歴史は皆さんの胸に刻まれ、脈々と受け継がれる。卒業生、在校生はそれぞれ新たな学びやで豊かに成長していくことに期待します」とエールを送った。

 万城目堅也校長は、東浜小と共に絶やすことなく受け継がれてきた獅子風流などに触れながら「心の古里として、いつまでも心の中に生き続けることを願っています」とあいさつした。

 父親が1回生という平塚さんは「この学校には他校にはないことがたくさんあった。閉校という別れは悲しいが、荻中での貴重な体験を誇りに頑張っていきたい」と決意を述べた。校歌斉唱では、さとうさんが生徒のそばで一緒に歌う場面もあった。

 長女、長男が卒業生という江刺みゆきさん(81)は「閉校はやむを得ないが学校がなくなるのは、とても残念で寂しい」と語った。

 同中は1982年、旧荻浜、旧東浜の両中が統合し、開校。卒業生は今年3月の2人を含む475人。

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