(526)卒業や餃子に韮(にら)の色透けて/岩田奎(1999年~)
卒業という若者にとって重大なイベントと、日常的な食べ物の餃子(ぎょうざ)を取り合わせた句。卒業式帰りに、友人と寄った食堂だろうか。または卒業式が終わって、緊張がほぐれた家での夕食か。餃子の皮に透ける韮の鮮やかな緑色を発見する鋭敏な感性に青春性がある。学校生活が終わる寂しさと、将来への期待や不安がに…
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