石巻で震災十三回忌法要 冥福祈り、決意新たに
大法院、不動町町内会と共催 卒塔婆の長さ3.3メートル
石巻市築山1丁目の真言宗秋葉山大宝院(天野秀栄住職)は11日、震災十三回忌慰霊法要を、同市不動町の高台避難所兼公園の「出会いの丘」と、同市築山の釜会館でそれぞれ開いた。
不動町町内会と共同で実施した「出会いの丘」には住民約40人が参列。町内の犠牲者11人を追悼するため、大宝院、町内会、不動尊奉賛会で制作した長さ3.3メートル、幅15センチのヒノキの卒塔婆を披露した後、天野住職をはじめ、宗派を超えた住職が卒塔婆の前で慰霊の読経をし、参列者が焼香した。
「出会いの丘」の名付け親でもある同町内会の大崎春男会長は「犠牲者の冥福を祈りながらまちづくりに励んでいる。地域の発展を見守ってほしい」とあいさつ。奉賛会の平塚健吉会長も「犠牲者のためにも心を尽くして何事にも頑張っていきたい」と決意を述べた。
下釜第1町内会と共同で実施した釜会館での慰霊法要では、県防災指導員でもある三浦勲町内会長の「空白帯で発生したトルコ地震と被害」と題した防災講演会や震災時のパネル展示もあった。
雄勝地区、6万羽の千羽鶴奉納 住民有志ら制作
石巻市雄勝地区の十三回忌慰霊法要が11日、雄勝体育館で開かれた。町内の寺院や住民有志でつくる実行委員会が主催した。
遺族や関係者ら約300人が参列。読経と御詠歌のほか、物故者233人の読み上げがあり、参列者全員が焼香した。住民有志らが制作した千羽鶴約6万羽が奉納された。
龍澤寺住職の山脇裕三実行委代表は「12年の間に雄勝は大きく変化したが、自然はそのまま。心の古里であることは変わりないことを胸に、生きていくことを祈念する」とあいさつした。
同市雄勝町の実家が被災したという主婦(64)は「震災当時は必死で、12年たつのはあっという間だった。父が亡くなり、母はまだ見つかっていない。区切りが付いたという感覚は少ない」と話した。
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