閉じる

石巻・大川に美しい音色響く 東北ユースオーケストラ有志がコンサート

オーケストラの演奏に合わせて朗読する大葉さん(中央)

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の若者らでつくる「東北ユースオーケストラ」のメンバー有志によるコンサートが12日、石巻市福地の大川コミュニティセンターで開かれた。一般社団法人長面浦海人が主催し、大学生や社会人の有志6人が出演。大川地区の住民・元住民ら約50人が美しい音色に聴き入った。

 来場者は大川小・中の校歌を口ずさみ、地域に伝わる「大川音頭」では演奏に合わせて手拍子をするなどして楽しんだ。音楽家の坂本龍一さんの楽曲「aqua」(アクア)に合わせてフリーアナウンサー大葉由佳さんが朗読するプログラムもあった。

 ユースオーケストラは心の復興を目的に発足。東京や被災地で演奏会を開いてきた。坂本さんが監督を務め、小学生から大学生まで約100人が所属する。大川地区での演奏は2019、20年に続き3回目。

 コミュニティセンター管理人の遠藤仁雄さん(68)は「若い力に元気をもらった。地区にゆかりのある人が集える催しがどんどん増えるといい」と話した。

 長面浦海人は被災した大川地区を模型に復元し、街の記憶を保存・伝承するプロジェクトを展開。集団移転により古里を離れて暮らす住民の交流を目的に、コンサートも企画している。

関連リンク