(538)庭に出でゝ物種蒔(ま)くや病上り/正岡子規(1867~1902年)
子規が亡くなる3年前の作。小康を得て春の庭に立つ喜びが伝わってくる。晩年は病床で草花を描くことに熱中し<神様が草花を染める時もやはりこんなに工夫して楽しんで居るのであらうか>と記した。子規庵(あん)の敷地はこぢんまりしているが、庭の草花は多彩である。苦痛と死への恐怖の中で健康な精神を保つことができ…
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