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燻製醤油誕生、香り豊か 町工場と老舗醸造元が連携 「新たな石巻ブランドに」

燻製醤油をPRする(左から)當真さんと兼子さん
シーケーテックが開発した燻製醤油の製造機械

 石巻市の町工場と老舗みそ・しょうゆ醸造元が連携し、スモーキーな香りとうま味が特長の「燻製醤油(くんせいしょうゆ)」を開発した。試行錯誤し、完成までに1年半以上かけた自信作。両社は燻製ブームを追い風に「新たな石巻のブランドに育てたい」と張り切っている。22日に販売を始めた。

 タッグを組んだのは、工場設備の自動制御盤などを手がけるシーケーテック(石巻市鹿又)と、創業120年の金華山醸造(同市万石町)。シーケーテックが専用の製造機械を開発。金華山醸造が燻製醤油を製造し、両社がそれぞれ販売する。

 機械は、しょうゆの火入れと燻製の工程が一度にできる仕組み。特別に醸造した「昆布醤油」を、ウイスキーオークのチップで10時間以上いぶす。加熱の工程を減らすことで酸化を防ぎ、しょうゆ本来の香りと味わいを生かしつつ、口に含むと舌と鼻に広がるようなスモーキーさを実現した。卵かけご飯や豆腐、白身魚などに合わせるのが特にお勧めという。

 開発にあたり、インターネット通販で購入できる既存商品を片っ端から取り寄せ、酸化度や香りの入り方などを研究。試作には400リットル以上のしょうゆを費やし、納得のいく味わいを追求した。

 商品化は、燻製好きなシーケーテック社長の兼子修司さん(44)が発案した。相談を受けた石巻市6次産業化・地産地消推進センターが、金華山醸造取締役営業部長兼製造部長の當真良平さん(36)と橋渡しし、開発をサポート。一部に市の産業創造助成金を活用した。

 兼子さんは「センターと市を含めた4者の一つでも欠けたら実現できなかった。燻製醤油を石巻のPRに役立てたい」と話し、當真さんは「パッケージにもこだわった。普段使いはもちろん、手土産にも活用してもらえればうれしい」とアピールした。

 金華山醸造では150ミリリットル入り、1150円で販売。同社の直売店やECサイト、いしのまき元気いちば(同市中央2丁目)で購入できる。シーケーテックは準備が整い次第、通販サイトで販売する予定。

 連絡先は金華山醸造0225(24)0255。

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