震災、子どもの視点で発信 石巻地方6人の体験を漫画冊子化
石巻市門脇町5丁目の震災伝承交流施設「MEET門脇」で動画形式で公開されている、子どもの視点で東日本大震災を捉えた漫画「あの時、子どもだった私たちが伝えたいこと」が冊子化され、販売が始まった。これまで施設に足を運ばなければ見られなかったが、冊子化で外に飛び出す。伝わる幅が広がりそうだ。
震災当時、石巻地方の小学生や高校生だった被災者6人の体験を仙台市の漫画家井上きみどりさんが漫画にしたもので、施設では音声付きのアニメーションで公開している。冊子化に当たり再編集した。A5判で1冊50~70ページ。全3巻。1冊500円。
3月11日に販売が始まり、出版を記念したイベントが同31日、施設であった。井上さんと、漫画に描かれたうちの4人が、作品や震災報道への思いを語り合った。
4人は震災の悲痛な側面ばかりがメディアに取り沙汰され、伝えたい思いが届かないことの歯がゆさを述べ、「先生なら分かってくれると思って話した」「自分以上に思いを伝えてくれている」と作品の魅力や井上さんへの信頼を語った。
収益は広く震災伝承活動に取り組む公益社団法人3・11メモリアルネットワーク(石巻市)に寄付され、震災伝承の公益活動に活用される。
井上さんは「全国どこでも起こりうる災害に備えて作ったので、図書館などに置いていただければうれしい」と呼びかけた。
冊子は施設のほか、石巻市のヤマト屋書店中里店とあけぼの店、未来屋書店石巻でも購入できる。通販大手アマゾンでも取り扱っている。連絡先は同ネットワーク0225(98)3691。
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