(564)傾きて花の総体こぼさざり/森川光郎(1926年~)
詩歌で「花」は桜の花です。この句の木は傾いているようですから、山の斜面に生えているか、枝ぶりが斜めなのでしょう。しかし満開の花がこぼれることはありません。「総体」とは物事のすべてを指します。大体という意味で、花びらが多少散っていても全体は保たれているとも取れますし、難しく考えれば、桜の花の観念や定…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。