(567)誰もみな翼をたたみ潮干狩/遠藤由樹子(1957年~)
なんて素敵(すてき)なフレーズだろうと思うのです。潮干狩りをする人は、自らの翼をたたんで砂の上に降り立った人々です。そう思うと、うつむいて一心に地面を見る姿は鳥が着地するときの姿勢のようですし、仕事や勉強から離れレジャーとして砂浜に憩う様子は、長い飛行を終えて休む鳥に似ています。潮干狩りは3月から…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。