(570)三月の甘納豆のうふふふふ/坪内稔典(1944年~)
私が初めて読んだのは国語の教科書です。実は<一月の甘納豆はやせてます>から始まり<十二月をどうするどうする甘納豆>で終わる、甘納豆十二句と呼ばれる連作のうちの一句となっています。ちなみに今月は<四月には死んだまねする甘納豆>です。三月がとりわけ有名なのは、笑い声と甘納豆という素材が三月の明るい気分…
関連リンク
- ・(569)鳥の戀(こい)解けて蚯蚓へ驀(まっしぐ)ら/高橋睦郎(1937年~)
- ・(568)鳴いてゐる亀の美声を疑はず/岡田一実(1976年~)
- ・(567)誰もみな翼をたたみ潮干狩/遠藤由樹子(1957年~)
- ・(566)裁ちばさみ開く重さや春の星/小島わこ(2005年~)
- ・(565)切株は鳴らぬレコード鳥の恋/大畑善昭(1937年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。