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石巻かほく杯中学野球 桃生、5年ぶり5度目V

【石巻―桃生】 6回2死一、三塁で勝ち越しの中前適時打を放つ桃生の佐々木悠
最優秀選手に選ばれた桃生の主戦佐藤

 第37回石巻かほく杯中学校野球大会(三陸河北新報社、河北新報社主催)の決勝が29日、石巻市桃生球場であり、桃生が石巻を5-3で下し、2018年以来5度目の優勝を果たした。

 桃生の主戦佐藤夏向(かなた)(3年)が今大会3度目の先発に臨み力投。攻撃陣は好機を逃さず得点を重ね、11チームの頂点に立った。石巻は大会初優勝を目指し、主戦後藤駿介(3年)が投げ抜き、一時は同点に追い付いたが及ばなかった。

 最優秀選手は桃生の佐藤投手、優秀選手には桃生の皆口洸太朗捕手(3年)、石巻の後藤投手がそれぞれ選ばれた。

決 勝

石巻 0020010-3
桃生 300002×-5

(石)後藤-平居
(桃)佐藤、川西-皆口
▽二塁打=福島(桃)松浦(石)

【評】桃生が競り勝った。一回、皆口の左前適時打などで3点を先制。同点に追いつかれた六回2死一、三塁から佐々木悠の中前適時打で勝ち越し、渥美が続き追加点を挙げた。主戦佐藤は五回まで力投。左腕川西が六、七回に救援し踏ん張った。石巻は四球や失策の隙を突き、一、七回以外で得点圏に走者を運び、3点を挙げたが力尽きた。主戦後藤が六回を投げ切った。

【監督談話】

◇桃生・石森孔貴監督「守備の課題、次へ」 
 1、2試合目はロースコアで進んでいたが、苦しい中でも我慢して戦ってくれた。3年生は25日から27日まで修学旅行で東京に行っていた中で調整してくれた。守備のカバーなど課題点も見えたので、さらに自分を高めていってほしい。

◇石巻・淀川剛監督「出塁も、本塁遠く」 
 二回から六回まで毎回得点圏に走者を進めるも本塁が遠い試合だった。主戦後藤は苦しい中でもよく投げ抜いた。打者ごとに狙い球を絞って安打を重ねることはできたが、チーム全体として勝負どころをものにできるかどうかが課題になった。

最優秀選手

◇佐藤夏向選手(桃生3年)、体力強化で制球力向上 
 2022年に続き主戦を務め、今大会も3試合全てで先発を担った。初戦の河南東戦では、完全試合を達成した。「調子が良く、直球で押せた試合だった。完全試合という意識はなく、まずチームのために勝つことを考えていた」と振り返る。 
 速球を中心に、スライダーやチェンジアップを組み合わせる。今季は下半身や持久力の強化を狙い、タイヤ引きや走り込みなどのトレーニングを重ねてきた。「後半のスタミナ不足、球の切れが課題だった。今後も続けていきたい」 
 「1人で戦うのではなく、主将とともに、投手の立場からもチームを引っ張っていきたい。場の雰囲気をつくれるような選手になれたら」と意気込んだ。

優秀選手

◇皆口洸太朗選手(桃生3年)、初回適時打で流れ生む 
 大会3試合全てに出場。決勝戦で先制の左前適時打を放つなど、毎試合で安打を記録した。「まず初回に3点を取れた。追いつかれても持ち直し、点を取り返せたのがよかった」と決勝を振り返る。 
 石巻の主戦後藤の速球対策として、マウンドより近い距離から投げた球を打つなど対策を重ねてきた。「打線がよくつながるのが桃生の強さ」と分析する。 
 「自分の中では配球面が課題。点を挙げられた後の雰囲気など、チームでより良くしていける部分もあるので、互いに声をかけ合い改善したい」と語った。

◇後藤駿介選手(石巻3年)、鍛錬重ね投打で存在感 
 大会3試合中、2試合で完投。決勝では、三回に左前適時打を放つなど、主砲としても存在感を見せた。「納得のいく球を投げられたが、最後まで際どいコースを攻め切れなかった」と振り返る。 
 冬季は週に2、3回、1時間半ほど日和山の階段を駆け上がり体力強化に努めた。試合終盤でも直球と変化球の切れが落ちにくくなるなど手応えを得て春を迎えた。 
 中総体に向け「主戦としては制球力を見直し、打席に立つ時は好機を生かせるように練習から意識したい」と気持ちを引き締めた。

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