被災地のNPO活動、冊子に 財源や課題まとめる 仙台・杜の伝言板ゆるる
仙台市の認定NPO法人「杜の伝言板ゆるる」は、石巻地方で活動するNPOに財源や今後の課題についてインタビューし、報告書「被災地で活動するNPOの財源の変化とこれから」としてまとめた。行政や企業の東日本大震災関係の支援規模が縮小していく中、活動継続のために企業や地域、他団体などとの新たなつながりを模索するNPOの姿がうかがえた。
NPO法人こころの森、同こども∞(むげん)感ぱにー、おらほの家プロジェクトなど石巻地方のNPO15団体の代表らにインタビューし、設立経緯や財源構成、今後の展望をまとめた。ほとんどの団体が活動資金の確保を課題とし、安定した活動財源の構築、活動継続を望んでいる。
新たな資金源を利用する動きも見られた。これまで財源にしていた復興関係の助成・補助金だけでなく、地域や企業との関係づくりやクラウドファンディング、休眠預金など、他の財源の活用を試みている。職員の離職率低下に向け、福利厚生の充実や人材育成に注力するなど、組織内に目を向けたアプローチもあった。
被災地の緊急支援として始めた活動が、次第に平時の地域課題の解決に移り変わった。現在、多くの団体が子どもや高齢者の居場所づくり、住民のコミュニティー形成といった地域の課題解決に取り組んでいる。
ゆるるの岡田彩副代表は「復興の文脈で確保できる財源が減少する中、どのようなつながりから資金調達するか、その戦略に団体の個性が見える」と評した。
調査は県の委託。詳細は今後、県のウェブページで公開する予定。
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