(577)戦争が廊下の奥に立つてゐた/渡邊白泉(1913~1969年)
今日はこどもの日。もとは端午の節句で、邪気を払うため菖蒲(しょうぶ)を吊(つ)るしたり菖蒲湯に入った。菖蒲が武を尚(たっと)ぶ「尚武」に通じることから男児の祝い日とされた。掲句は日本が太平洋戦争を開始する2年前の作。当時、大戦が始まると考えた国民は少なかった。さてこの「廊下」はどこか。私はいつも学…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。