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(580)新緑の匙(さじ)より蜜の垂れにけり/森賀まり(1960年~)

 庭や公園の新緑の中で、お茶か食事をしているのか。匙より垂れている蜜は蜂蜜だろう。しかし「新緑の匙より」と書かれると、まるで瑞々(みずみず)しい葉の木々自体が匙になっているようだ。そうだとすると、蜜は樹液に変貌する。そしてそれを舐(な)めるのは、カブトムシやクワガタムシなどの昆虫たち。若葉のあざやか…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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