(581)ハンカチを洗ふ蛇口を選びたる/川島ひろの(1997年~)
たまらなく夏の感じ。暑くなってきて、これからいよいよハンカチで汗を拭き拭き、という季節。さしずめ出先、公園か、学校か、水飲み場のあるような場所だろう。そういう場所は口をつけて水を飲んでいる人がいたり、茶色い水が出る蛇口があったり。「ハンカチを洗ふ蛇口」までで「ふむふむ、そんなことあるよね」と納得。…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。