大型連休にぎわい復活 行動制限緩和、遠方からの観光客増加 石巻地方
大型連休の4月29日~5月7日、石巻地方の観光地の多くは前年を上回る人出を記録した。新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、遠方からの観光客が増加。コロナ禍前の水準に迫るにぎわいだった。
4月にグランドオープンした石巻市中央地区のかわまち交流拠点には多くの観光客が集まった。いしのまき元気いちばには期間中、約4万2000人が来場し、前年同期より約4000人増えた。うち約34%が県外からだった。立体駐車場の1~5日の駐車台数は約4300台。前年よりはやや減ったものの、コロナ禍前の2019年比で約93%まで回復した。元気いちばの担当者は「今年は駐車場が朝から満車になった。車が止められず来場できなかった人もいるのでは」と話した。
東日本大震災の震災遺構にも全国から見学者が訪れた。同市「門脇小」の期間中の来館者は3551人で、開館直後だった前年より4.5%増えた。担当者は「今年は3分の2が県外から。昨年に比べより遠くから来てもらった印象だ」と語った。「大川小」は5082人で前年から約4.0%減った。
同市雄勝地区の道の駅「硯上の里おがつ」には期間中、前年より2000人ほど多い約8000人が来場した。4、5日にはイベント「GWおがつ縁日」を開催。地元産のホヤ約2トンを用意した詰め放題を4回に分けて実施したところ、初回は30~40分程度で完売するなど盛況だった。
東松島市宮戸で嵯峨渓遊覧船を運航する東松島観光物産公社によると、期間中の乗船者数は445人で、前年同期の約1.3倍だった。遊覧船3隻がフル稼働し、最多だった4日は138人が乗船した。公社の担当者は「コロナ禍前の大型連休は約1000人が乗船した。まだ半分に届かないが、観光需要の回復は感じた」と話した。昨年は東北が大半だった県外客も関東圏ナンバーの車両が増えたという。
女川町のJR女川駅前商業エリアを運営するまちづくり会社「女川みらい創造」は、期間中の人出を前年の約1.5倍と見積もった。エリアが21年に国の重点道の駅「おながわ」に登録されて以降、キャンピングカーで訪れる観光客が目立つという。
町営温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」が昨年8月に営業再開したことも後押ししたとみられる。担当者は「道の駅になり年々、知名度が上がっている」と手応えを語った。
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