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(583)残業や硝子(がらす)をつつく金魚の口/斉藤志歩(1992年~)

 職場に置かれた金魚鉢か。水中をゆったり泳ぐ金魚は、忙(せわ)しなく働く人々を癒やしてくれる存在なのだろう。定時を過ぎ窓の外は暗くなり、社員たちが帰宅していく中、残業で一人居残りの作者。ふと金魚鉢の方を見やる。この職場で動いているのは、硝子をつつく金魚と作者のみ。ガラス窓で覆われた職場が一つの金魚鉢…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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