(594)化けさうな一軒家あり螢狩/大峯あきら(1929~2018年)
水辺をそぞろ歩いて蛍を楽しむ夜、道沿いには崩れかかった一軒家があったのでしょう。柱は朽ち、窓は外れ、家全体を蔓(つる)や厚い木の葉が覆っています。家そのものが今にも物の怪(け)に変化しそうです。かつての日本は街灯もなく、暗がりに浮かび上がる景色には、得体(えたい)の知れない恐れがありました。と言っ…
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