(595)自動ドア開けてしまへり夏路傍/蒋草馬(生年不詳)
夏の日の暑さを避けて道端を歩いていたのだろう。端に寄り過ぎてある店の自動ドアを開けてしまった。買い物でもないのにすみませんといったところか。私にも経験があったが、句に詠むことはなかった。作者は高校生で<花の名の薬局ばかり更衣(ころもがえ)>の句も。日常の些事(さじ)に詩を感じる感性が魅力的である。…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。