(605)蠅取りリボンねぢれ昭和の垂れてゐる/坂下遊馬(1954年~)
蠅(はえ)取りリボン、粘着性の高いテープをぶら下げておいて虫を捕らえるトラップである。夏が今ほど暑くなかった頃は、風を通すために家中を開け放っていたので、蠅取りリボンは重宝したものだ。照明の紐(ひも)に下げていたが、この頃は天井に「明かりをつけて」と言えば明るくなり、電気の紐もほとんど見ない。蠅取…
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