(637)北へ来し人らの墓標夏ポプラ/五十嵐秀彦(1956年~)
「北へ来し人ら」は、北海道の開拓に来た人々。その厳しい開拓の道のりは、細谷源二の句<地の涯(はて)に倖(しあわ)せありと来しが雪>で知られる。ポプラは北海道を代表する樹木で、高く直立した形が美しい。北の大地に開拓者が植えていったポプラ並木の姿には、彼等(かれら)の連帯感が感じられる。短い夏に、鮮や…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。