(635)五月雨や邪気払いとて正気散/仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750~1837年)
仙厓和尚は禅画の大家。この句は「鍾馗(しょうき)図」の讃(さん)である。鍾馗は疫病神を追っ払う道教の神。それに胃腸薬の漢方「正気散」を引っかけている。五月雨(さみだれ)、つまり梅雨の頃は食べ物も腐りやすいし代謝も悪くなりがちで、鍾馗だって時にはお腹(なか)を下しちゃう。でも腹痛なんてひとひねり、正…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。