想像喚起「波」10点 彫刻家ちばふみ枝さんが個展 石巻
石巻市出身の彫刻家ちばふみ枝さんの個展「waves」が、同市中央2丁目の「キワマリ荘」1階のGALVANAIZE gallery(ガルバナイズ・ギャラリー)で開かれている。記憶や連続性を想起させる「波」を表現した10点で、固定的なものの捉え方を問う。
素材は木などの植物繊維を成形したMDFと呼ばれるボードで、薄い板に波のような起伏を彫刻した。作品は板に通して結んだひもによって壁や空間に自立する。ひもをほどけば姿を変えてしまう、流動性をはらんだ姿が特徴だ。大部分に配色された自然な色味とは対照的に、板の断面には人工的なパールカラーが映える。現実離れした色が「どこかの空間に続くのでは」と、見る人の想像を喚起する。
ちばさんの創作の根底には、空間を仕切る「境界」への関心がある。例えば飲食店の机に置かれる間仕切りなど、完全に区切られていない空間に境界線が生じる「お約束」のようなものへの興味が、作品の問いにつながっている。
ちばさんは「彫刻は鑑賞者自身の体を含めて感じるもの。実際に見て『おや?』と思ってほしい」と話した。
会期は30日までで、土・日曜のみオープン。開場時間は午前11時~午後6時。入場無料。
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