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高校野球宮城大会・2回戦 石巻勢の夏終わる

 第105回全国高校野球選手権宮城大会は14日、2回戦8試合を県内3球場で行った。石巻市民球場では、石巻工が東北に1-6、石巻商は聖和に0-10の六回コールドゲームで敗れた。日本ウェルネス宮城は古川学園と仙台市民球場で対戦し0-4で敗退。石巻西は鹿島台中央野球場で仙台二と戦い、2-9で七回コールド負けを喫した。これで今大会に出場した石巻勢8校7チーム全てが姿を消した。

石巻工、7回まで好投

【石巻工―東北】 完投した主戦佐々木蒼

◆2回戦(石巻市民)
石巻工 000000100-1
東 北 10010103x-6
(工)佐々木蒼-及川(東)ハッブス、進藤-日隈 
 ▽三塁打=佐藤玲、伊達(東)

【評】石巻工は追い上げたが及ばなかった。0-3で迎えた七回1死二、三塁、永沼の左犠飛で三浦が生還し1点を返したが、八、九回を三者凡退で終わった。主戦佐々木蒼は緩急のある投球で投げきり、七回までは東北打線を3安打に抑えた。

<2カ月で主戦に>
 主戦の佐々木蒼は、昨年は遊撃手と抑えの投手を兼任していた。本格的に投手中心の練習を始めたのは今年の5月から。利根川直弥監督は「練習試合の結果から、迷わず彼を主戦に選べた。2カ月でよく仕上げてくれた」と話す。 
 佐々木蒼は「東北のデータを調べ、内角に弱いと知っていたので怖がらずに投げた。調子が良かっただけに悔しい」と語る。基本に立ち返り、ノックに打ち込んできた成果が試合中の好守備に現れたという。「最後まで信じてくれた感謝を仲間に伝えたい」と顔を上げた。

ウェルネス、満塁生かせず

【日本ウェルネス宮城―古川学園】 6回2死満塁から適時二塁打で2点を追加され、2番手新沼にボールを渡す大内(右)

◆2回戦(仙台市民)
日本ウェルネス宮城 000000000-0
古川学園      02000200x-4
(ウ)大内、新沼-三浦秀(古)今野-林 
 ▽三塁打=今野(古)▽二塁打=青沼、渡辺(古)熱海(ウ)

【評】日本ウェルネス宮城が零封負けを喫した。古川学園の先発今野を攻略できず、四回まで毎回の三者凡退。七回に2死満塁の好機をつくるも、相手中堅手の好捕に阻まれた。先発大内は二回に長短打などで2失点し、六回にも2点を追加された。

<途中降板悔やむ>
 日本ウェルネス宮城の先発大内は二回と六回で計4失点。六回途中で降板し「自分の投球で負けて申し訳ない」と悔やんだ。昨秋からバッテリーを組む主将の笹村が1回戦で負傷し、この日はベンチ。「勝って(笹村)航太をまたグラウンドに立たせたかった」と無念さをにじませた。 
 191センチの長身から投げる最速144キロの直球が武器。精度が足りないと感じ変化球主体で攻めたが、相手打線に捕まった。「気持ちの面で弱い所があった。自分のせいで負けたことを今後の野球人生に生かしたい」と前を向いた。

石巻西は逆転負け

【仙台二―石巻西】 1回1死一、二塁から久保田の右適時打などで生還した桜井望(左奥)と鈴木雄(右)

◆2回戦(鹿島台中央)
仙台二 0071100-9
石巻西 2000000-2 (七回コールドゲーム)
(仙)湯浅、本田-星(西)和泉、遠藤、雁部-久保田 
 ▽三塁打=星(仙)▽二塁打=岡田、湯浅、菅原(仙)久保田(西)

【評】石巻西が逆転負け。初回、4番久保田の右前適時打に敵失が絡み2点を先制したが、三回に相手の連打に守備のミスが重なり、一挙に7点を失った。七回には2死から一、二塁の好機をつくったが、3番鈴木雄の痛烈な当たりは右翼の正面を突いた。

<気を吐く3安打>
 2年生ながら4番に座った捕手の久保田は初回の先制打を含む3安打を放ち、劣勢のチームの中で気を吐いた。「先輩たちと野球を続けたかった。絶対に後ろにつなごうという思いだった」と振り返る。 
 チームは失点に直結する失策や走塁ミスで流れを失った。久保田は「自分たちらしいプレーができなかったのが悔しい。来年はもっと周りを見て、チーム内の連携を強めていきたい」と先を見据えた。 
 田野監督は「2年生以下が今日の負けをどう考え、どう来年につなげていくかだろう」と語った。

石巻商、打ち崩せず

【石巻商―聖和学園】 4回2死一、二塁の場面でマウンドに集まる石巻商の選手たち

◆2回戦(石巻市民)
石巻商  000000 - 0
聖和学園 200512x-10 (六回コールドゲーム)
(商)工藤、千葉修、梶原-平塚(聖)松下、菊地-伊部▽本塁打=大久保(聖) 
 ▽三塁打=大久保(聖)▽二塁打=伊藤(聖)

【評】石巻商は聖和の投手を崩せなかった。三者凡退が続き、0-7で迎えた五回、梶原と千葉が安打を放ち1死一、二塁と好機をつくったが後続が倒れた。主戦の2年工藤が先発し、千葉修、梶原と継投したが、10得点を挙げられ六回コールドゲームに終わった。

<2年工藤、前向く>
 チャレンジ精神で挑んだ試合だった。主戦の2年工藤は、「聖和は打てる打者しかいないのは分かっていた。満塁や失策から気持ちを切り替えられず、浮いたスライダーを本塁打にされてしまった」と悔しがる。マウンドを降りた後は、涙をこらえながらも外野の守備についた。 
 3年生部員は2人だけ。工藤は「村上主将はプレーで引っ張ってくれて、平塚捕手は明るく気持ちを上げてくれる先輩だった」と話す。「コールドゲームは避けたかった。悔しさを野球にぶつけて、もっとうまくなりたい」と前を向いた。

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