(638)山脈の脈より生まれ黒揚羽/高野ムツオ(1947年~)
揚羽蝶(あげ はちょう)の中でも、特に迫力ある黒揚羽を見ると何だか嬉(うれ)しくなる。翅(は)音などしないはずであるが、音が聞こえてきそうなくらい、パワフルな蝶だ。その蝶は、眼前の山並みのちょうど脈打っている部分から飛んできたのだろうか。だとすれば、山生まれである自分と同じだなあ。眼前の黒揚羽に自…
関連リンク
- ・(637)北へ来し人らの墓標夏ポプラ/五十嵐秀彦(1956年~)
- ・(636)夏痩せて舌いちまいの重さかな/國清辰也(1964年~)
- ・(635)五月雨や邪気払いとて正気散/仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750~1837年)
- ・(634)寝たきりといへどほがらか葛桜/井出野浩貴(1965年~)
- ・(633)左右より化粧直され祭稚児/森田峠(1924~2013年)