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(640)水にもなれず月にもなれずくらげかな/村上喜代子(1943年~)

 水族館の水槽に泳ぐクラゲを見ていて思い付いた句だろうか。水に溶けるように柔らかく海を漂い、月のような静かな光を体に透かせる。クラゲが水や月になろうとしていたという想像がロマンチックだ。水になろうとしてなれなかった、月になろうとしてなれなかった、それが今クラゲとして生きている。そう思うと、クラゲの美…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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