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竹細工で「虫の音楽会」 宮城・大和の大水さんが制作<アングル宮城>

<精緻>大水さんが好んで作るキリギリスのオーケストラ。トランペットやトロンボーンといった楽器も精緻にできている

 宮城県大和町宮床の山里に、小さな作業場がある。「竹工房 宙 SORA」。代表の大水文雄さん(70)が作る昆虫の人形が「かわいらしい」「本物そっくり」と好評だ。全国から注文が舞い込んでいる。

<想像>働き者をイメージしたアリの人形。中央の1体はまきを背負い本を読む二宮尊徳を模した

 主に手がけるのは、楽器を手にした体長5センチ前後のキリギリス。触覚や脚、翅(はね)などを細かく作り込み、今にも動き出しそう。童話「アリとキリギリス」に着想を得たという。

<準備>材料となる竹は煮沸したりいぶしたりして油分を抜き、湿気の少ない高い場所で保管する

 かつて暮らした宮城県松島町で、地域資源の竹を活用したビジネス創出の一環として始めた。雑誌やインターネットを参考に独学で作り方を編み出し、本業の看板製作の傍ら、趣味で約20年間、続けている。

<駆使>切り出しナイフや電動工具、はんだごてなど約20種類の道具を駆使する

 「作ること自体が楽しい」と大水さんは言う。全て手作業で、どれも世に二つとないオリジナル。完成形になるのは月に約50体と数は限られ、インターネットなどで販売している。
(富谷支局・肘井大祐)

<丹念>一つ一つのパーツを丹念に作り上げる大水さん=大和町宮床の「竹工房 宙 SORA」

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