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熱中症、高齢者は特に注意 石巻地区消防本部・阿部救急係長に聞く

応急手当ての仕方を再現する消防職員

 梅雨が明け、石巻地方に夏が訪れた。近年の猛暑を受け、熱中症による石巻地区消防本部の年間救急搬送者は高止まりが続く。熱中症予防と対処法を同本部警防課の阿部隆弘救急係長に教えてもらった。(渋谷 和香)

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 同本部によると、熱中症の搬送者数はグラフの通り。2018年に101人を記録した後、50~80人台で推移している。毎年5~9月が多いが、年間を通じて発生するという。

 特に高齢者は冷房が苦手で使わない人がいるため、注意が必要だ。認知症や1人暮らしの人が気付かないうちに熱中症になり、訪れた家族やヘルパーが体調の異変に気付く場合が多いという。

 阿部さんは「エアコンを使う、窓を開けるなど工夫をしてほしい」と訴える。

 湿度も大敵。湿度が高くなると、汗による熱の放出が難しくなり、体内に熱がこもりやすくなってしまう。

 熱中症は屋外で発生するとは限らない。過去には交通誘導員の男性が帰宅後、ビールを飲んで発症したことがあった。アルコールを分解する際に体内で水分が使われ、脱水したのだという。

 症状について、阿部さんは「軽い頭痛から始まる。重症化すると痛みがひどくなり、めまいや立ちくらみが起こる」と話した。

 症状が出たら、水分を補給すること。ただの水ではなく経口補水液などが好ましい。汗にはミネラルや塩分が含まれるため、それらも補給しないと体調不良の原因になるのだという。

 実際に倒れている人を見かけたら、どうすればいいか。まず、日陰の涼しい場所で、ベルトやネクタイなどを緩めて楽な格好にしてあげる。気管に入らないよう座った状態で経口補水液などを少しずつ飲ませる。

 太ももの付け根や脇の下、首を保冷剤で服の上から冷やす。服の上から霧吹きで水を全身にかけたり、ぬらしたタオルで体を拭いて風を当てたりする応急措置も有効だ。

 阿部さんは「炎天下での作業を避け、塩分などを含んだこまめな水分補給や体力をつけるために、食事をしっかりとることを心がけてほしい」と呼びかける。

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