網地島の移住促進を強化 お試し用宿泊施設開設、協力隊員1人採用 石巻市
石巻市は8月から、少子高齢化が進む網地島への移住促進を強化している。島の魅力発信などに取り組む地域おこし協力隊員1人を採用したほか、島内にお試し移住者用の宿泊施設を開設した。島での暮らしを体験してもらい、交流人口の拡大や将来的な移住定住の実現につなげる。
網地島を拠点に地域おこし協力隊員が活動するのは初めて。移住促進や島の活性化に向け、交流サイト(SNS)などを活用して島の魅力を発信したり住民とのコミュニティーづくりに取り組んだりする。新たに設けたお試し移住者宿泊施設の管理や滞在中のサポートも担う。
お試し移住者用の宿泊施設は、かつて東日本大震災の復興工事作業員宿舎だった建物を活用。所有する同市の建設業「丸本組」の協力を得て、年間30万円で借り受けた。プレハブ2階、延べ床面積は約250平方メートル。4畳半の個室10室と、共同浴室、台所や食堂などを備える。
滞在は2泊3日から最大1カ月まで可能で、宿泊費は無料、食事は各自で用意する。希望があれば漁業や農作業などの体験もできるよう調整する。
移住相談の窓口は市の委託を受けた一般社団法人「ISHINOMAKI2.0」が担う。
市は2021年度からお試し移住事業を始めた。中央1丁目と牡鹿半島の折浜にある災害公営住宅の2カ所を宿泊先として無償提供し、昨年度末までに36組58人が利用。体験後、7組9人が移住した。
網地島の人口は約280人。少子高齢化が加速しており、市は移住促進による島の活性化を期待する。
市SDGs移住定住推進課の担当者は「島暮らし体験を通し、島の住み心地や魅力を感じてもらうきっかけになればいい。網地島への移住の可能性を広げたい」と話した。
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