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(658)心太(ところてん)一本づつは曇らずよ/小山玄紀(1997年~)

 ガラスの器に盛り付けられたところてん。夏ばて気味の目と舌に涼しさをもたらしてくれる。確かに、ところてんの一本一本が重なった状態ではその色は曇っている。海藻の天草が原料なので、その繊維の色が微(かす)かに付いている。しかし、箸で一本をすくい上げたとき、曇りが晴れて透き通る。取るに足らないことのようだ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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