(654)まつすぐな道でさみしい/種田山頭火(1882~1940年)
季語にあたる言葉がなく、五七五から大きく外れる、無季、自由律の俳句です。昭和4(1929)年の句ですから、托鉢(たくはつ)をし、句友を訪ねながら旅を続けていた頃です。山頭火の句は侘(わび)しさや悲しさを感じる句が多いですが、この句ではストレートに「さみしい」という言葉を使っています。ただの直進の道…
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