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(653)文鎮の龍てのひらに秋を待つ/西野結子(2002年~)

 猛暑が続いている。現代の私たちとしては「秋を待つ」をとても切実に読んでしまう。この句の面白いのは、文鎮の龍(りゅう)(ゴジラ映画に出てくる怪獣に似ているのでアンギラスというらしい)も秋を心待ちにしているところ。龍は「春分に天に昇り、秋分に淵に潜む」と言われる。さしずめ人の手のひらの上が文鎮の龍が昇…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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