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(671)水鏡のタワマンに棲む海月たち/星野愛(1980年~)

 夜、水槽に向き合う。水槽の照明を消すと、水槽は水鏡となって、闇に自分の姿が浮き上がる。透明な海月(くらげ)たちは漆黒に沈み、しかしそれまで通り音もなく蠢(うごめ)いている。タワマンと言えばグローバル資本主義の象徴であり、本物の月の鎮座する天へと近づく「バベルの塔」のようでもある。はなやかな都市生活…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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