(672)透明や皮より葡萄出づるとき/野名紅里(1998年~)
特に注目したい物から始め「や」で詠嘆するという書き方は、俳句ではお馴染(なじ)みの方法です。しかし様子を表しますが実体のない「透明」という言葉は、「や」で提示するものとしてインパクトがあります。透明な物は何か、読んでいくと分かりますね。濃い紫色の皮に包まれた葡萄(ぶどう)が、ぷちっ、つるん、と出て…
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