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(672)透明や皮より葡萄出づるとき/野名紅里(1998年~)

 特に注目したい物から始め「や」で詠嘆するという書き方は、俳句ではお馴染(なじ)みの方法です。しかし様子を表しますが実体のない「透明」という言葉は、「や」で提示するものとしてインパクトがあります。透明な物は何か、読んでいくと分かりますね。濃い紫色の皮に包まれた葡萄(ぶどう)が、ぷちっ、つるん、と出て…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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